まず何より、読み心地のとてもいい作品でした。学校の先生が「想像する楽しさ」を子供たちに教える。その場面はほのぼのとしていて、子供たちかとんな絵を描くだろうと微笑ましい気持ちにさせられます。……という展開からの見事なオチには、「なるほど」と考えさせられるものがありました。たしかにこれからの時代、こういうことも起こりうるかもしれない。そういう「時代の変化」と「新たに出てくるかもしれない可能性」を切り取った、素晴らしい作品でした。
作品から「いまの時代」を感じると共に、読後に、ピカソの人物を思いだした。「絵を自由に描く」 混沌の社会の中、大人へと成長していく過程で忘れ去られること。 素晴らしい芸術は、すぐ側にある。 私達、人間ひとりひとりの可能性と、現代ネット社会の揺らぎを考えさせられる。短い文章のなかに、大切なことが凝縮された良書。お勧めです。
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