お題から無限に話を膨らませていく

祖母の家、開かずの間、なぜか少しだけ開いている扉。
そんなお題からあたかも笑点のように様々な試みがなされ、次から次へとアイディアが投入されていく贅沢な作品。これはどうだ? 知っているか? それならこっちはどうだ? 流石にちょっと驚いただろう? などと手を変え品を変え「開かずの間」というお題から話を無限に広げていく発想の大胆さには驚かされるばかりでした。

恐怖だけでなく語り手の不安を煽るような構成になっており、読めば読む程迷宮の深い所へ引きずり込まれていき、真相が見えなくなる構図なのもお見事。

夏休みのお盆に相応しい、これぞ日本の怪談といった感じです。
祖母の家から帰ってきたばかりの貴方に、おススメです!

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