第36話 あらすじ

 時はヘイアンの世——。安穏を目指していた帝の世に、事件が起きる。後宮に仕える女官らが次々と行方不明に。事件解決のため、帝の瑞獣(守護者)である三条水影さんじょうみなかげ麒麟きりんが女官に扮し、後宮へ潜入。失踪した女官らに共通点を見つけた水影は、自ら犯人の手によって誘拐されることに成功。しかしその犯人は、陰陽師、東雲黄呂しののめおうろで、失踪した女官の正体は大江山の鬼であった。 


 帝に対し、並々ならぬ執念を抱いていた黄呂は、自らもまた瑞獣となるべく願い出るも、却下される。憤慨した黄呂による、瑞獣偽者取替騒動が起こる。「七日以内に偽者を見つけ出さねば、本物は一生帰ってこない」——黄呂に脅され、水影、春日安孫かすがあそん、麒麟、不動院満仲ふどういんみつなかの四人の中にいる偽者を見つけ出すため、帝——朱鷺ときによる選定が始まった。


 満仲と黄呂の陰陽師対決の中、偽者が安孫と言い当てた朱鷺。しかし、朱鷺と水影は黄呂によって、偽世にせよへと閉じ込められる。そこにいた本物の安孫と共に、亡き母達と再会した三人であったが、縁者らの呼び掛けにより、現実世界で生きる大切さに気付き、再び現世へ。黄呂の野望を打ち砕いた満仲であったが、かつてのライバルである黄呂が既に亡者であったことから、彼との別れに涙を流すのであった。


 稀代のカリスマ帝と、彼に仕える四人の瑞獣たちによる、ドタバタコメディー。本作は「ヘイアン公達の月交換視察〜帝が天女を妃に迎えるまで〜」のスピンオフですが、この物語だけでも成立するように作っています。

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帝と四人の瑞獣たち―偽世者(にせもの)― ノエルアリ @noeruari

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