不確かなことは言えないけれど

作者は人間模様、特にドロドロともつれた関係を描くことに長けたお人です。

本作も実にドロドロとしています。ホラーと呼べるほどに。

題名は疑問形ですし、最後まで読んでも結論は明言されません。

しかし読者には背景が明確に分かりますし、主人公も気づいているはずなんです。

もうとっくに分かっていて、ですが口にすれば誹謗中傷されたと罵られる状況に陥った悔しさ。喉元まで出かかっているのに言うと負ける悔しさを、これでもかと突きつけます。

あ、皆さん引いてしまわれましたか。最後までお読み願います。きちんとスッキリした気持ちになれますから。騙されたと思って、ご一読願います。