消えた兄さんと、残った銀杏

これは濃い。この時代を扱った作品は珍しい上に難しいと思うのに、当時の空気を濃密に感じる。
読み終わったあとでうわぁ……となるのは初めてで、このうわぁ……は、知美さんに対しての感情が渦巻いて出たうめきである。結末をどう解釈するかも味わい深い。