ある人の秘密を知ったところから始まる物語は定番です。そして当たり前なので忘れられがちなことがあります。主人公には「秘密を知る」という秘密が出来てしまいます。はい、秘密を持つ共犯者の出来上がり!本作は秘密を抱えて相手によって態度を変えざるを得なくなった主人公を短い尺で隙なく語ります。商業作家ですから技巧に手抜かりはありません。相手にどのような顔を見せるか。語り口は軽くも、根源的な話です。語り口が軽いからこそ、サクッと読んで感じ入りましょう。
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