終(ツイ)

すこし薄暗い

ここは、どこなんだろう

あぁ、もうなんだ

ぼくは、ただ一人静に消えるつもりだった

京谷から告白を受けたときすごくうれしかったなぁ

みんながぼくのために、あの時すごくうれしかったなぁ、

ん?

「――――――――っ」

誰かがぼくを呼んで、

美月?

「ねぇ!!起きてよ!叶愛!!!」

あぁそうだったなぁ

美月には去年一緒の当番の時に説明したっけ

ぼくはかすれ行く声で言う

「大丈夫だよ それよりも

京谷に

返事を

お願いね

もうぼくは行くから

他の人と

幸せになって」

美月は泣きながらぼくの手を強く握りしめて

「伝える!!絶対に伝えるから!!行かないで!」

もう眠くなってきたなぁ

「――――っ」 「――――――っ」

みんなが近くにいるのかなぁ、

あぁ、美月はこのことを大羽さんとツイにも、

瞼が閉じかかるその時、

最後の力を振り絞って一つ伝える

「大丈夫だよ

ぼくは君のそばにいるから」

ツイと大羽さんの叫ぶ声が最後まで聞こえる、白い光の線がゆっくりと閉じていき

またぼくを暗い世界につれていく


ぼくは小さい頃に心臓病が発覚して、若くして亡くなってしまうのがわかった

だから男装をして少しでもつらいことがないようにしてきた。すると去年もしかしたら来年が最後になるって言われて覚悟はしてきたけどやっぱりつらいなぁ

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ぼくは君のそばに @eruno4

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