風鈴と水の音に誘われし赤鳥居、そこで彼が出会ったものとは未練、それとも

那智風太郎プレゼンツ『真夏』『夜』企画 優秀作品

酔い足にまかせてくぐった石鳥居の向こう、その路地裏の先で彼を待ち構えていたものとは。

巧みな描写とさりげなく軽やかな筆致に読み手はいつのまにか主人公と共に不思議な世界に誘われます。
また非現実的な情景が次々と展開されていくのに、不自然さを感じさせない文章の滑らかさがことに素晴らしいと感じました。
そしてラストは意外な展開。
思わず「なるほど、そういうことだったのか」と手を打ちたいような、少し悔しいような。

真夏の夜にぴったりな不思議で美しい物語。
貴方もおひとつ如何ですか?