結局のところ海とは夢であり貝殻は夢の骨なのだから

海を柔らかい夢のイメージで捉え、貝殻を夢の骨としている。
ここでは海の荒々しい要素や底が見えないという恐怖は取り除かれる。
輪郭が曖昧で一見どこまでも続くかに見え、始原を思わせる海。すると人は夢(海)から産まれてきたことになる。また一人の人間より夢の方が古く、普遍性があるということになる。
そのうえで小さな貝殻を大きな海の骨とすることで歌の世界を思い切って縮小している。
そこに小児期への一種のノスタルジーがあると思うのは「読みすぎ」だろうか。
「結局のところ〜なのだから」という構文は「海とはなにか」への乾いたそして力強い回答というニュアンスを生み出す。