概要
人形の棺は夢でこの部屋はすなはちわが死ふくみ入ること
短歌連作10首です。よろしくお願いします。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ゆふつかた窓に倚りたる鳥一羽ありて銀河をひとつ呑みほす
「箱」、「棺」、「とりかご」などのモチーフが多用され、マトリョーシカのようなかたちに世界を組みかえる(読みかえる、書きかえる)パワーがある連作だ。
・朝なさなわれのからだをとり出だす象嵌の古き小(ち)さき箱より
超単純にすれば「毎朝古くて小さい箱から自分の体をとり出す」という歌だ。
「われのからだをとり出だす」、という言い方は絶妙だ。
「自分の体をとり出す」と解釈してしまったが、
別にここは「毎朝〈誰かが〉私を箱からとり出す」としても良い。
誰が「われのからだ」をとり出しているのか、「われ」が人形であれば持ち主ということになるだろう。
「朝なさな」「とり出だす」というのだから中々の人形好…続きを読む