第6話 温海、走る
朝話したとおり、今日は3人の水着を買いに駅近くのショッピングモールへと行く。
朝ごはんを食べて、開店時間になるまで待つと温海の家を出る。
「やはり、ラブコメの夏のイベントと言えば水着を買う事だよね」
「まぁ、それも定番よね」
「なんか、温海って意外とラブコメが好きだよね」
「兄たちの買った漫画にラブコメがあるから、それを読んでるだけよ」
「なるほど」
話を聞いてると、温海はラブコメが好きそうだったけど
お兄さんがいて、お兄さんが買った漫画を読んでのか。
わたしもラブコメというかちょっとどころじゃないエッチなラブコメが好きだよ。
あ、一応18禁ではないよ?
でも、あれは実質18禁だとは思うけど、今はこの話はいいか。
「夕って漫画とか読むの?」
「ん~電子で読んでるよ~ラブコメも好きだけど~百合物がいいよね~」
おっと、リアル百合カップルから百合物がいい発言ですか。
「リアルでも夕と温海は百合カップルなのに、百合物を読むんだ」
「ほら~恋愛だって漫画とかドラマがあるから~百合カップルが百合を読むのありだよ~」
「確かに」
夕が言う通り、男女の恋愛だって漫画やドラマがあるんだから、百合が百合物を読むのもおかしくはないか。
「読んでて~あ~これわかる~って所もあるし~温海ちゃんとできない
大人な事もしていて~ちょっとうらやましいな~って思ったりするよ~」
夕が大人な事と言うと、温海の顔が一気に赤くなった。
「ゆ、夕、何言ってるのよ!?」
「え~だって、キスより先にいきたいでしょ~」
「い、行きたいけど、あ、あたしにはまだ無理~」
温海はそう言うと突然走りだけど……どこへ行くのかな。
「温海ちゃん~そんなにはずかしかったかな~」
「まぁ、温海はむっつりだけど、実際にするの恥ずかしくて無理だからね」
「そうだね~でも~わたしだって~したいんだよ~」
夕はそう言うけど、まだ午前中の往来でこの話はやめておこう。
「気持ちはわかるけど、流石に往来でするのはやめようね」
「そうだね~。あと、温海ちゃん、どこまでいったかな~」
走り出した温海の姿が見えないけど、温海の体力と午前中なのに30度を超えている
この陽気なら、そう遠くまで行ってないとは思う。
「多分、近くのコンビニの前で暑さにやられて座ってるよ」
「そうだね~」
わたしと夕は今居る先にあるコンビニへいくと、やはり温海は店の前で座り込んでいた。
「温海、大丈夫?」
温海は息を荒げて汗を大量に書いて顔を真っ赤にしてるけど
暑い中をダッシュしたらこうなるよね。
「だ、大丈夫……じゃ……ないわよ……はぁはぁ......」
「恥ずかしいからって全力で走らなくても」
「ゆ、夕が……あんな事言うから……はぁはぁ……」
「無理して話さなくてもいいよ」
温海は夕の家をでて5分程で大きなダメージを受けている。
ただ、わたしもこの暑さは厳しいけどね。
そして、夕はコンビニに入って何か冷たい物を買っているみたい。
「温海ちゃん~ごめんね~アイスで機嫌なおして~」
夕は店から出てくると、温海の分だけでなくわたしの分の買って来てくれた。
「こ、子供じゃないから……そんな事で機嫌が直る訳が……。
で、でも……夕が買ってくれたし……も、もらうわよ……」
息を切らせながらも、ツンデレに徹するとはツンデレの鑑だなぁ。
「文乃ちゃんの分もあるからね~」
「夕、ありがとう。なんか、夕の誕生日のためなのに、昨日からおごってもらっているだけだなぁ」
「別にいいよ~うちの親はもてなすのが好きだから~」
「そういうなら、ありがたく貰うかな」
夕からアイスを貰うと、溶けないうちに食べる。
午前中から気温が30度を超えているので、アイスが美味しい。
「アイス美味しかったよ……」
「でしょ~暑いからね~」
「夕……ありがとう……」
「別にいよ~こっちもわるいし~」
「た、食べ終わったから、ごみを捨ててるわよ」
温海は食べ終わると、店の中に入ってごみを捨てて来たが照れ隠しなんだけどね。
そして、わたしも夕もアイスを食べ終わると、ごみを捨てて再び歩き出す。
「アイスを食べたけど、暑いね」
「そうだね~駅までが遠いね~」
「いつもならすぐなのにね……」
夕の家から駅までは歩いて10分程でなので既に半分まで来ているが暑いせいか遠く感じる。
さっきのコンビニで、追加で飲み物も買ったけど500mlのペットボトルの中身はどんどん減っていく。
そして、やっと駅に着いたけど目的のショッピングモールは線路の向こう側。
駅の自由通路を通り、ちょっと行くと目的のショッピングモールに到着。
「ふう……中はちょうどいいぐらいだね」
「そうだよね~」
「でも、ちょっと涼しいぐらいね」
温海は3人の中で一番の寒がりなんだけど、温度差があるからちょっと涼しく感じるみたい。
「温海ちゃん~大丈夫~?」
「温度差があったからだから、平気よ。さ、水着を買いに行くわよ」
「そうだね~」
わたしたちは水着売り場へと向かうのであった。
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