第8話夕へのプレゼント

予定が変わったけど、水着を買いにショッピングモールに来たから

このまま夕のプレゼントも買う事となった。


「夕、何かほしい物ある?」


わたしが聞くと


「温海ちゃんだよ~」


と言って、夕は温海にくっつく。


「わ、わたしはもう夕の物だから……」


温海は顔を赤くして恥ずかしがっていると同時に、腕に当たっているけど

夕の胸の感触を味わって、むっつり顔にもなっている。

あと、こういう場合は『わたしがプレゼントなんだからねっ!』

っとツンデレを出させるのが正解ですよ。

ま、温海はそんな事言わないけど。


「2人共イチャイチャするのはとっても嬉しいけど、流石にここじゃ写真が撮れないよ」

「ツッコむのはそっちなのね」


温海は恥ずかしながらもちゃんとツッコミを入れるのは、ツッコミの鑑だなぁ。


「それはともかく、夕は何が欲しい?」

「正直言うと~特にほしいものはないんだよね~」


夕はわたしと違って物欲があまりないし、温海を手に入れたからね。

そうなるとプレゼントに悩むけど、夕もわたしと温海のプレゼントなら

何でも喜んでくれるはず。


「それじゃ、こっちで選ぶよ」

「2人からのプレゼントなら~何でもいいよ~」


夕は温海と腕を組みながらニコニコしてるけど、ある意味これが一番のプレゼントだよね。

夕にとってもわたしにとっても。


「今考えたら、水着をプレゼントしてよかったわね」

「水着は~自分のだから~それに~温海ちゃんが選んだ物なら~なんでもいいよ~」

「わかったわ」

「それじゃ、一通りモールを見てみよう」

「そうだね~」


よく来るショッピングモールではあるが、行く所や買う物は決まっていて

フードコート、服や靴、文房具や食料品でモール全体を見た事ない。

モールを見るとファストファッションや婦人服、スポーツ用品、バック鞄に

歯医者や眼科、保健会社、家電、寝具に書店、アニメグッズに映画館もあるので

ここに来れば一通り済ます事ができるんだな。

ただ、テナントを見ると高校生が買うようなものは少ない感じ。


「うーん、高校生向けの物じゃないよね」

「ちょっとたかいよね~」

「お金なら大丈夫、夕のためなら行くでも出すわよ」


流石、ツンデレ社長令嬢だけあってお金はあるなぁ。

わたしも多くお金を持っては来たけど、それでも予算は5000円ぐらいかな。

さっきの水着は予備として持って来た分で買ったけどね。


「温海は社長令嬢だからお金を持ってるけど、わたしは予算5000円までだよ」

「あたしだって、それぐらいだわ。あくまでも夕に対する気持ちだからね」

「そうかー」


流石に温海でも出せるのはそれぐらいか。


「2人共~金額じゃないよ~2人から貰うって事が一番だよ~。

2人からなら~100のボールペンでも十分だよ~」

「流石にそれだとこっちの気持ちが満足できないから、もっといい物をあげるわ」

「そうだよ、夕、遠慮しなくていいよ」

「遠慮はしてないよ~それぐらいの気持ちってことだよ~。

わたしは~フードコートのテーブルで休んでるから~2人で選んできてね~」

「うん、わかった」


2人だけで夕のプレゼントを買いに行くけど、夕は本当に100円のボールペンでも満足しそう。

ただ、温海も言ってたけどそれだとこっちが満足しない。

でも、かと言ってこれっていうのもないけど。


「しかし、プレゼントって意外と決まらないよね」

「夕の趣味は知ってるけど、知ってるから余計に難しいわ」

「そうだね。服はピンク系が多いけど、大人っぽいシックな色もあるしね」

「夕はシックな色も似あうけど、夏系は白系や薄いピンク系がいいわね」

「スカートは薄めの青系とかかな」

「スカートは茶色系でもいいかも」

「でも、色的にブラウン系は合わなくない?」

「確かに、バランスが悪いわね。ただ、白系ならいいんじゃないの?」


そんな事を話しながら、何をするか悩んでいるけど帽子なんかがいいかも。


「帽子でもいいかも」

「帽子ね……たしかに、夕はおばさんの帽子を借りてるわね」

「そうなの?」

「そうよ。自分の帽子は買ってないらしいわ」

「そうか~。それなら帽子でいいか」


日差しが強いし、夏らしいから帽子はいいよね。


「そうね、そうしましょう」

「それじゃ、決まり」


帽子をプレゼントする事になったけど、帽子は帽子でどうしよう。


「麦わら帽子も似あいそうだけど、温海の方が似合いそう」

「そう?」

「ワンピースに麦わら帽子被ってたら、田舎の子供の夏休みって感じだよね」

「それってどういう意味?」

「温海が純朴でかわいいって事だよ」

「そ、それならいいわね……」


かわいいって言われて照れる温海はかわいいし、ちょろいな。

でも、これが温海のいい所だし、ツンデレにちょろいのがいい。


「夕も麦わら帽子は似合いそうだよね」

「なら、わたしは麦わら帽子にするわ、自分の分もね」

「ペアルック……でいいのかな?」

「違うと思うわよ」

「そうだよね。わたしは……どうしよう」


温海が麦わら帽子なら、普段使いできる帽子がいいよね。

なので、わたしは普段使いできるバケットハットを選ぶ。


「決まったけど、サイズがわからないから夕を呼んでこようか」

「そうね」


わたしと温海は買う物が決まったから、夕を呼んで来た。

そして、サイズを合わせると、お会計を済ませた。


「2人ともありがと~」

「別にいよ、これぐらい」

「そ、そうよ、夕のためだから、これぐらいなんてことはないからねっ!」


温海はテンプレツンデレで照れてるけど、顔は笑っている。


「それじゃ~早速使うね~」


そういて、夕はバックからハサミを出すとタグを外して麦わら帽子を被る。


「ゆ、夕が被るなら、あたしも被るわよ」


温海もそういって、タグが付いたまま被るけど


「タグを切ってあげるよ~」


といって、夕がタグを切ってくれた。


「あ、ありがと……」

「別にいいよ~温海ちゃんとお揃いだし~」


こういって、夕は温海と腕を組むけど、ラブラブな百合カップルは良いですな。

さっきご飯を食べたばかりだけど、さらにお腹いっぱいだよ。

ありがとございます。


「文乃ちゃんの帽子も~使わせてもらうよ~」

「うん、そうしてね」

「なんか、思ったよりも時間がかかからそろそろ帰る頃ね」


スマホの時計を見ると16時近くだから、そろそろ帰る事にする。


「そうだね、帰ろうね」

「思ったより時間がかかったね~」


水着選びやプレゼント選びに、ご飯を食べればこれぐらいかかるか。

でも、ショッピングモールの中は涼しい、外は暑いから何かとよかったよ。


 わたしたちはショッピングモールをでるけど、出た瞬間に暑い。

でも、少し雲がでて日が陰って来たから少しはましではあるけど。

わたしたちは明日の事などを話しながら夕の家に戻ったのだった。

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