誕生日に3人でお泊りするのは許されますか?
しいず
第1話夕の誕生日
間もなく夕の誕生日であるけど、学校帰りに3人で寄ったファーストフードのお店で
わたしがその話をする前に
「わたしの誕生日だけど~温海ちゃんと文乃ちゃんで~うちにお泊りに来てね~」
と夕から誘ってきたのだったが、もちろん行くに決まってる。
「もちろん行くよ」
「さ、誘われなくても、こっちから行くんだからね」
温海さん、それは押しかけではありませんか?
もっとも、温海は夕の家に月に1回か2回はお泊りに行ってるけど
わたしもいける時は一緒にお泊りをしてるけどね。
「でも、誕生日当日は平日でしょ?」
「確かに、そうだね」
今年の夕の誕生日の7月4日は水曜日なので、誕生日当日にお泊りをするどうかな。
「だから~ちょっと早いけど~今度の土日にお泊りに来てよ~」
「別にいいけど、当日はどうするの?」
「当日は~プレゼントだけでいいよ~」
「わかったわ、そうする」
「それじゃ、当日に渡せるものがいいかな」
「プレゼントは~2人にお任せだよ~」
「サプライズはもう無理だから、夕が喜ぶよ物を捜さないとね」
夕へのプレゼントを物色中だったけど、正直いい物が見つからなかった。
夕の部屋はほわほわしたお姉さん系の見た目に反して畳の部屋に
パイプベッドにPCとゲーミングチェーと意外とシンプルな部屋だからね。
ただ、カーテンだけは見た目通りの花柄のピンクのカーテンだったけど。
なので、そこの女の子らしい物をって思って色々みたけど
夕の部屋に置いたらむしろ不自然な感じがして、決まらなかった。
なので、学校で渡せるもでいいかな。
「か、買いに行くなら、あたしもいっしょにいくわよ」
「別にかまわないけど、いつ行く?」
「誕生日当時に間に合えばいいけど、10日ほどしかないから今日の放課後にでもいく?」
「でも~そうしたら~わたしも一緒に行く事になるよ~」
「夕は先に帰って……欲しくない……」
「もう~温海ちゃんは寂しがり屋だな~」
「あたしの胸じゃ、夕の代わりにならないのね……」
「胸は関係ないでしょ」
「冗談だって。でも、夕と一緒に買いに行く訳にはいかないよね」
「だったら~土日に買い物に行けばいいんだよ~」
「そうか、その方がいいよね。誕生日には早いけど、買ってすぐ渡せるし
夕が居なくて寂しい温海も寂しくないしね」
「べ、別に寂しくないわよ」
「強がる温海さんもかわいいですな」
「なっ、つ、強がってないわよ……」
温海はそう言うけど、夕の隣に座っている温海は夕にくっつく。
「もう~温海ちゃんは甘えん坊だな~」
「べ、別にいいでしょ、恋人なんだし」
「そうだよ、百合カップルがイチャイチャしてるなんて投げ銭したくなるぐらいだよ」
「そんなお金をがあるなら、わたしがおごらなくても良かったよね?」
「それは、これはこれですよ、温海さん」
注文した物は温海のおごりだったけど、温海自身がおごってあげると言ったのである。
なので、素直におごってもらっただけで、お金はあるんだけどね。
「冗談よ、あたしからおごるって言いだしたんだし」
「わかってるよ、だからこしてありがたくいただいてるじゃないでか」
「温海ちゃん~ありがとね~」
「べ、べつにいいって……」
温海は照れて飲み物を飲むけど、このツンデレというか強がっていて
自分で行って自分で照れてダメージを受けているのが温海のかわいいところだよ。
「それにしても、夕の部屋って女の子ぽくないね」
「うん、よく言われるよ~」
「でも、私服はいかにも女の子っていうか、想像通りのピンク系のフリフリの服だよね」
「ピンク系の服は好きだよ~」
「それなに、なんていうか、漫画とかにでてくる殺し屋みたいな部屋だよね」
「殺すのは~ゲームの中だけだよ~」
「といいながら、本当は殺し屋だったして」
「もう~文乃ちゃんは漫画とかの読みすぎだよ~」
もちろん、夕が殺しやっていうのは冗談だけど、夕みたいなタイプが意外と一流の殺し屋になるかも。
実際に、ゲーム内のランキング10位以内に入った事があるらしいけど
そのゲームは世界的に人気なゲームで、そのランキングも日本のランキングでなくて
世界ランキングというので、あなどれないかもしれない。
それに、相手も夕みたいなタイプが殺し屋だと思わないから、油断するかもね。
通り名は……ピンクの悪魔とかかな?
いや、ピンクの服を着て殺し屋をやるとは思わないけど、いいのが思い浮かばない。
夕の特徴は……やっぱり胸とほわほわした性格になるんだけど
エロいネタになりそうだから、これ以上考えるのはやめよう。
「あの部屋に無理に女の子らしい物を置いた方がむしろ不自然じゃないの」
「でも、化粧水とかにおいてあるよね」
「制服もかかってるよ~」
「そうだけど、あそこにかわいいぬいぐるみがあると、何か仕掛けてありそうじゃない」
「中に銃が隠してあったり?」
「殺し屋から離れなさいよ」
「でも~ぬいぐるみのなかに隠すのはいいよね~」
「ほら、夕もこう言ってるよ」
夕ものるけど、温海は
「夕ものらないの。それに、そろそろ帰るから、残ってるのを食べてよね」
というけど、確かにスマホを確かめたらそろそろ帰る時間だ。
「そうだね、そろそろ帰る時間だね」
「電車も混むからね」
「そうだね~」
わたしたちは残っているものを食べ終えると、ファーストフードの店を出ると
駅に向かったのだった。
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