最終話 夕の誕生日当日
夕の家でのお泊りも終わり、翌日からまた学校にだけど夕の誕生日当日はすぐにやってきた。
お泊りでやる事は全部やったって感じだけど、やはり誕生日当日にも祝わないとね。
「ねえ、夕、今日はどこか寄り道していこうよ」
放課後になると、夕を誘うけど夕も大体気づrwいる感じで
「そうだね~ちょとなにかたべようか~」
とニコニコしている。
夏休み前だから、授業も少し早く終わって時間もあるしね。
これなら初めから当日で良かったかもだけど、1度家に帰って着替える手間と時間があるから
少し早く終わっても翌日も学校あること思うと、ゆっくりできないんだよね。
「い、何時ものと変わらないけど、いいかしら」
「別にいいよ~2人が居れば十分だし~」
「ゆ、夕がそういうなら……わかったわ」
温海は頬を染めて照れてるけど、照れるほどでもない気はするけどいいか。
「飯塚さん、ちょっといいかな?」
わたしたちが話してるとクラスの女子が、夕に声をかけてきたけど何かな。
一応言っておくけど、夕もわたしもクラスの女子と普通に話してるよ。
「なにかな~」
「飯塚さん、今日が誕生日だからプレゼントを渡すね」
そういって、鞄から小さい包みを出して夕に手渡した。
「ありがと~」
「たいしたものじゃないけどね」
「プレゼントだったら~何でもいいよ~」
「でも、大牧さんからもっといい物もらってるでしょ?」
「そうでもないよ~温海ちゃんも~みんなと同じだから~」
「そうなんだ」
「だから~気にしなくてもいいよ~」
「わかった。誕生日おめでとう」
「ありがとう~」
そういって、その子は教室を出て行ったけど、夕はその子の他に女子3人からプレゼントを貰った。
「夕って人気あるのね」
「そうだよ。温海さんとしては複雑?」
「嫌われてるよりはいいけど……」
「大丈夫、みんな夕を取ったりしないから」
「わかってるわよ......」
温海はこうは言うけど、夕が人気なのはちょっと気にしてる様子。
「それより、わたしたちも行こうか」
「そだうね~」
「そうね」
わたしたちは教室を出るけど、わたしと温海は夕の前を歩くが温海さっきの事を聞いてみる事にした。
「温海、さっきのどう思う」
わたしは温海は小声でいうけど温海は
「あれぐらい別にいいわよ」
とすました顔で言うので、特に気してはいないみたい。
「あれぐらいじゃ嫉妬しないか」
「あれぐらい......っていいたけど、ちょっと嫉妬したかも」
「やはりですが」
「で、でも、ちょっとというか、一寸だけだからね」
「わかってるよ。本妻だしね」
「本妻とかいわない」
「そういえば、2人が付き合ってるって事は、わたし以外は知らないよね」
温海と夕が恋人同士って事は、わたし以外には言ってないはず。
「文乃にしかはっきりと言ってないし、言う必要もないでしょ」
「それもそうか」
「それに、クラスで特に何か言われてる訳でもないわ」
「そうだね。でも、雰囲気から気づいている子もいるはずだよ」
あえて何も言わないけど、温海と夕は教室ではイチャイチャしてなくても
何となくそれらしい雰囲気は出てるから、何人かは気づいてるはずだよ。
「気づいても、何もしてないならいいわよ」
「それもそうだね」
「それに、聞かれたらはっきり答えるし、何かあったら使える物は使うわ」
「おお、カッコいいですな」
「そ、それだけ、夕が大事だからよ」
温海は照れるけど、まさに愛の力ですな。
「2人共~何話してるの~」
後ろから夕がわたしと温海に抱きついて来たけど、夏服だと背中に当たる物が
さらによくわかりますな、何が当たってるかは言わないけど。
「ちょっと温海とさっきの事を話してたよ」
「クラスの子が~プレゼントをくれた事~?」
「うん」
「今日が~誕生日と言う事は~みんなと話した時に~教えたからね~」
「そうなんだ」
「でも~みんなが~プレゼントを~くれたのは~ちょっと意外だけどね~」
わたしも多分、温海も皆がプレゼントをくれたのは意外だと思うよ。
でも、夕も皆と話してるし、なんだかんだでクラスの皆とは仲いいしね。
「み、皆から貰えて、良かったわね」
「温海ちゃん~もしかして~嫉妬~」
「ち、ちがうわよ!クラスの皆と仲良くて、良かったって事よ」
「ありがとね~」
夕はさらに押し付けてくるけど、温海がちょっとむっつり顔になってる。
「夕、後ろにくっつかれると歩きにくいから離れて」
「そうだね~」
夕が離れるけど、温海は夕の方を向くと手を出す。
「夕......手を繋ぐわよ」
「うん」
夕は温海の手を取ると、2人で階段を降りていくけど......温海はこんな事出来るんだな。
わたしはそれをみてニヤニヤしながら、2人の後をついて行った。
学校を出ると、駅近くのいつもファストフード店に入った。
「それでは夕の誕生日を祝うね。では、乾杯の音頭を温海さんお願いします」
「そんな雰囲気じゃにでしょ。でも、夕、誕生日おめでとう」
「夕、おめでとう」
「うん、2人共ありがと~」
ファストフードのドリンクで乾杯をするけど、後は何時もどおり。
3人で何でもない話をしたり、わたしと夕で温海をからかったりと
夕の誕生日と言っても、何時も同じ事をしてるけどある意味これが一番いいのかも。
「そろそろ帰る頃かな」
スマホの時間とみると、17時近くになってたけど2時間ぐらいいたかな。
「そうだね~結構いたよね~」
「あと、ちょっと食べ過ぎた」
最初はセット商品を頼んだけど、その後色々追加してたからちょっと食べ過ぎ。
「夕の誕生日なんだから、たまにはいいでしょ」
「そうだね。でも、夕飯が食べられない」
「これだけ食べて、まだ食べる気?」
「成長期だからね」
「あたしたちがまだ成長期か何とも言えないけど、そろそろ横に成長する頃よ」
「それを言わないでよ」
「わたしも~気を付けないとね~」
夕も結構食べるけど、夕の場合は横と言うか前に成長してる気がする。
温海はわたしと夕よりは食べないけど、最近はわたしたちといるせいか食べる量が増えてる気がする。
でも、特に変わっている様子はないけど......これ以上は言わない方がいいかも。
「そういえば、誕生日の順番から言って、夕が一番のお姉さんだよね」
「そうだね~次は温海ちゃんだから~文乃ちゃんが一番年下だね~」
夕は7月、温海は8月、わたしは11月生まれだから、わたしが一番年下になる。
誕生日の順番だけでなく、夕が一番お姉さんは色んな意味でそうだよね。
「温海の誕生日も何かしないとダメかな」
「別にいいわよ」
「そんな、遠慮せずに」
「先に行っておくけど、文乃が期待している事はないわよ」
「相変わらず先に夢を潰しますな」
「盛大な誕生日会なんてしないわ、現実は漫画やアニメと違うのよ」
「うむ、世知辛い」
ま、温海の家からして盛大に誕生日会はしないのはわかってるけど
先に言われると、わかっていてもなんか残念。
「わたしは~2人とこうして居らるのが~1番のプレゼントだよ~」
夕はわたしと温海を見てニコニコしてるけど、夕は物よりも体験の方がいいんだな。
「は、恥ずかしい事言わないの」
「だって~本当の事だし~」
「と、とにかく、店を出るわよ」
温海は照れて席を立って店を出ていくと、夕もニコニコしながら
その後をついて行くけど......2人共、食べた後を片付けてよ~。
店を出るけど、夕は温海と手を組んでニコニコしてる。
夕は温海と一緒に居る時は何時も笑ってるけど、今日は特にご機嫌。
そして、わたしもそれを見てニコニコしてるけどね。
「簡単だけど、夕の誕生日を祝えてよかったよ」
「わたしは~これでいいよ~この前もお泊りしたし~プレゼントも貰ったからね~」
「ら、来年も同じ様に祝うわよ」
「うん、お願いね~」
「もちろん、わたしもだよ」
「文乃ちゃんもお願いね~」
温海はわたしにも腕を組んだけど、これは百合に挟まてないからセーフだよね。
「それじゃ、帰ろうね~」
「腕を組んだまま、電車に乗るの?」
「もちろだよ~」
「か、改札は通れないから、一度離れるわよ」
温海はそう言って、腕を組むのをやめたけど確かに改札は通れないよね。
改札を通ると、再び腕を組んで電車に乗った。
「なんか、みんな見てない?」
「女の子3人が腕を組めば普通に目立つわよ」
「別に~わたしは~気にしないよ~」
夕はそう言って、さらに身体を引き付けたけど当たってますよ。
それに、電車の中はそこそこ混んでるからちょっと暑い。
でも、これも夕の誕生日祝いだと思えばいいか。
わたしは降りる駅まで、夕と腕を組んでたけど温海はさらに夕に身体をくっつけていた。
「それじゃ降りるね。2人共また明日」
「うん、またね~」
「また明日ね」
わたしは電車を降りるけど、温海と夕は小さく手を振るのでわたしも手を振り返すと
電車のドアが閉まって発車していった。
夕の誕生日といっても、何時もと変わらないけど夕がこれが一番って事はわかった。
それに、誕生日だから2人でイチャイチャしたいだろうしね。
流石に大人の階段は登らないと思うけど、2人で楽しんでくださいな。
わたしは2人がイチャイチャする様子を想像しながら、駅の階段を登って行ったのだった。
誕生日に3人でお泊りするのは許されますか? しいず @shiizuu
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