神になり損ねた男の邂逅とその顛末。

旱魃に喘ぐ三つの村々を束ねる、中ノ村。
その村長の許を訪ねる、旅の薬売りの
目的は一体、何なのか。

不思議な力を以て統治君臨して来た村長が
辿って来た苦悩と不信、そして絶望。
真夏の旱にも似たひりつく衝動が、更なる
闇へと隠蔽される。
気まぐれに情けをかけても打算となって
彼を苛む。
    それも亦 拘泥 という足枷に。

神になり損ねた男の苦悩は、未来永劫
続くのか。それとも彼の 気紛れ を人の
証と愛おしむのか。

ソレは天を司ると謂う。
故に、森羅万象に似て人の理の範疇に
非ず。

遠い昔の、中ノ村の譚。



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