人が交差する場所に風流あり

芭蕉の弟子のひとり、去来は京都の嵐山にまだ名前を付けていない草庵を構えていた。ある秋の日、去来に草庵の庭に実った柿を売ってほしいと申し出る商人が現れた。
一つの草庵の名前の由来から、過去と未来までを一望した、歴史短編小説。舞台はほとんど変わっていないのに、長い旅から帰ってきたような、不思議な読後感がします。
例え知らない相手でも、言葉を交わし、その心を知る。その瞬間に、インスピレーションが生まれるのは、今も昔も変わらないものだと思います。

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