第2回短歌・俳句コンテスト【短歌】二十首連作部門『熱がさめたら』

豆ははこ

短歌二十首『熱がさめたら』

厚焼きの玉子の味に文句言う黙って食べてなんなら食べるな


灰皿に吸い殻一つ残されたマウント気取りか口紅付きで


好きだよと呟く方向目をみてもあたしのことはみていないよね


勘違いここはあんたの家じゃないローンも何もあたしの稼ぎ


妹の電話長いねその前に何人いるの番号違う


体調が悪いと何度も言っている飯どうするの勝手につくれ


ありがたいゼリー飲料冷やすもの頼りになるは配達業者


平熱にやっと決めたよ言うことを熱が下がった色んな熱が


出て行って慌てず騒がずただ伝うそうだよここはあたしのお城


八個入りたこ焼きいつも五個減ったやった今日から全部あたしの


ジョッキ生あと一杯をやめようか今日はいいよね自由の杯だ


どこがいいそうだよ友だち聞いていたなんて答えた忘れちゃったな


飲み会は出るよ出ますよ直帰なし荷物色々軽くなったの


お水ですそんなやつより幸せに後輩きちんとあたしを見てた


おめでとう同期のメールになにと問う男追い出し後輩ゲット?


成績を上げたら付き合い考える言いそうそれは多分あたしだ


首位を死守それでもかなりぎりぎりで何故か課長が一番笑顔


次こそは頑張りますと後輩がどうぞと出した手作りお昼


お返しは何にしようか悩みつつこれはおいしい厚焼き玉子


甘くても少し塩味きいててもどちらも好きはなにかの始まり

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