禁断の恋が向かう先は――
- ★★★ Excellent!!!
家族を守るため、帝の妃となった淑華は、貴妃として後宮に暮らす。
気がつけば二十年の月日が流れ、三十五歳。かつては帝の寵妃だったものの、いつの間にか夜迦途切れ――
そんな時出会ってしまうのは第二皇子の朱威龍。
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まず魅力的なのが、この物語が醸す雰囲気です。
丁寧な心理描写と美しい描写、文体によって醸し出す濃厚な後宮の雰囲気に引き込まれます。
そしてその魅力的な世界観で動く登場人物たちがまた個性的です。
主人公は三十五歳なだけあって、思考や行動が達観していて安心感があるのですが、そんな大人な主人公の心中が揺れ動く様が面白い。
そして二人の男たち。
統治者のオーラで圧倒される帝と、若き第二皇子。
特に第二皇子がいい男で、若さゆえなのか自信に満ちた言動と、
淑華を揶揄うように楽しむ姿が魅力溢れてたまりません。
しかしこの状況、禁断の恋に落ちていくのだろうなという予感とハラハラ感。
すっかりハマってしまい、更新されるのを楽しみにしている作品です。
丁寧な心理描写と美しい文章、この世界観と雰囲気に是非浸っていただきたい。