無杖無詠唱の無双夢想

　技術が進歩し、どんなに才能のない者でも「魔法の杖」と「詠唱」さえあれば魔法を使える世界。人類は退化し、最早「杖」無しでは魔法も使えない時代。
　魔法の使い方を伝授する場だった『魔法学園』も、現在は一般にも普及した魔法による戦闘競技『ウィザーズ』のアスリートを育成する機関となっていた──。


　主人公・アルトは名門・聖アヴァラルド魔法学園に入学早々、不慮の事故により大手魔法の杖メーカー「黒猫工房」の令嬢・クローニャ・ミスタリアのあられもない姿を目撃してしまう。怒ったクローニャは彼に対しウィザーズでの勝負を挑んだ。

　だが彼女はまだ知らない。アルトはこの時代において……「杖を使わない」うえに「詠唱も必要ない」、無杖無詠唱の天才魔法使いだった。