地面に付いた痕というものは本能的に眼で追ってしまうものである。例えば、暗い箇所、通路の下に貼られた蓄光テープ。これは解り易い例である。では血痕はどうであろうか。先ず第一に不穏なものだ。誰かの鼻血であれば、それで見過ごすかも知れない。但し、ポタリ、ポタリと続いている。人間も所詮は生物という事でパンくずを辿っていく小鳥と同様にそれを見ながら歩いていく。血、血、血、血、血……。突然、それが途切れた時に――〝説明のない恐怖〟に囚われていた事に気付く。物語は明白には説明されないが、〝好奇心は猫を殺す〟という事を実感させられるものと痛感する。そういった作品だ。
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