概要
春は別れと出会いの季節
昨日まで見ず知らずだった二人の男女が、一つ屋根の下で新生活をスタートさせます。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ふうふうふうふ。
『ふうふ見ず知らず』
まずタイトルが秀逸。森見登美彦さんあたりが長編を書いてしまいそう。どこかコミカルで、それでいて、あたたかく。少し切ない。
私たちは勝手な憶測フィルターで、『夫婦水入らず』と脳内で変換して、冒頭の新婚生活を思わせる幸せな描写を、ありがち、ととらえてしまうだろうか?
目覚めたときの別世界。幸せな光景。ここはどこ?
という白いイメージの世界を、「なんて劇団員ぽく思ってはみたが」とどこか常に俯瞰で物事を見ている主人公の造形が、冒頭で見事に見せつけられる。
私はすぐに彼の歩く空間の中に取り込まれた。頭上に繁る常緑樹の葉の隙間から落ちてくるのは、ピンクチラシだったり、鼻を…続きを読む