第3話 この世界のこと
あれから半年が経った
「ルイスちゃーんおはよー」
俺はマリーの声によって目が覚めた。
産まれてから俺は強くなろうと必死に訓練をした。
だが、訓練の方法も分からないし、どうすれば成長するのかもいまいち分からず、結局は何も出来ず半年が過ぎてしまった…
「ルイスちゃーん、今日はお父さんとお母さんとアリスちゃんは用事があるの。
その間、ルイスちゃんはおじいちゃんのところに預けるから楽しんできてねー」
「あう」
「まぁ、いい返事」
今日おじいちゃんのところに行くの?
おじいちゃんと会うのは俺が産まれた時以来だ。
おじいちゃんには名前を変えてもらった感謝があるからな、ぜひとも仲良くなりたい。
「じゃあ行きましょーね」
それから俺はマリーにおんぶされ、10分ほど歩いたところにあるランドルトの家に向かった。
もちろん朝ご飯をとってから…
目つぶってやるの毎回苦労するんだよな。まったく…
マリーは俺を抱っこし、長い道のりを進んでいく。
「こっちは近道なのよ」
マリーはそう言うと少し茂った方へ入っていく。
しばらくすると開けたところに出てランドルトが立っているのが見えた。
「おーいー!マリー!ルイストリアー!」
ランドルトが大きな声でこちらを呼ぶ。
あのおじいちゃん元気すぎだよな、すげぇわ。
「今日はよろしくお願いしますね」
「任せるんじゃ!」
マリーは俺をランドルトに渡し家へ戻って行った。
「さぁーて、何をして遊ぶかのう」
何も考えてなかったんかい。
できれば色々とこの世界のこと教えてくれるとありがたいです。
「そうじゃ!自己紹介がまだだったのう。
わしの名前はランドルトじゃ!アスタリスト王国出身じゃ!
どうじゃ、すごいじゃろ!」
あのー、いきなり色々言われても何も分からないんですが…
アスタリスト王国?どこだ?職?それは決められてるもんなのか?どーゆーものだ?
名前以外なにもわからん!
「赤子にはまだ分からんかったか。そうじゃ、この世界のことを教えてあげよう」
さすがわかってる!
けど、俺本当はこの前産まれたばかりの赤子だよ?赤子にその話をするのはどうかと思うけど、まぁ、俺としてはありがたいな。
「あうー!」
「最初はこの世界の国について教えてやろう。
この世界には8つの国があり今いるここはフォンテル王国のリアムールという村じゃ。フール家はそこの領主じゃ。そしてその下にアスタリスト王国があり、その左下にユメツリオ王国。この3つは人族の国じゃ。
ユメツリオ王国の左上に獣人族の国ライクリック王国、その右上に半魚人族の国アクトル王国、その右にエルフ族の国カインウェル王国、その上にダークエルフ族の国サルディニア帝国、そして離島にドワーフの国パメリア共和国があるのじゃ!
そして、ここフォンテル王国の海をずっと東に進むと魔族が住む魔大陸があるのじゃ」
何となく理解出来た気がする。
つまり、色々な種族がいてそれぞれ国が違うのか。人族だけ3つ国があるのは人口が多いからかな?
王都とかあるのかな?
それに魔大陸だって?
もしかして魔王とかいたりして!?
俺はそれを倒す勇者!?なんてね…
妄想はここまでにしようか。
「次に
職というのは簡単に言えば
わしの場合『上級魔術師 屈強級』じゃから全盛期はアスタリスト王国の宮廷魔術師として働いておったのう」
へぇー。この世界にはそんなものがあるのか。
魔術師ということは魔法とか剣とかあるのかな!ますますこの世界に興味が湧いてきた!
「そして屈強級についてじゃが、これはその職の等級を表すものじゃ!
等級には色々あり下から、無能級、不便級、普通級、有能級、屈強級、幻想級、伝説級、神話級までじゃ!」
もしかしたら俺神話級とか貰えちゃうんじゃないの!?
あるあるじゃないか。
異世界転生してチート能力授かった主人公が無双するお話。
もしかして俺もそんなふうになっちゃったりして?
「ちなみにじゃが、1番上の神話級については古い書物にも書いておらず、今まで出たことはないらしいのじゃ。
名前の通り神話級じゃな!」
心配になってきたのですけど?
大丈夫だよね?俺は神様からきっとチート能力を与えられた主人公ですからね?
チート主人公が無双するのはお約束だよね!?
「それからこの世界には魔物が生息しておる。魔物は危険だから絶対に近づくんじゃないぞ」
やっぱり異世界だから魔物がいるのか。
ゴブリンとかコボルトとかかな?
倒すのが楽しみだ!
「そしてこの世界で最も重要なのはダンジョンじゃ。
ダンジョンとはこの世界に8つあり、魔物がたくさん生息しておる。階層は10階層まであり、強い魔物がでるダンジョンほど報酬がいい。
ダンジョンの最深部まで到達したらクリア報酬が貰えるのじゃ!
クリア報酬は職によって異なるのじゃ」
ダンジョンかぁ~楽しみだな!
この世界は面白そうなことが沢山ある。
早く色々なところに行きたいな!
そんなこんなでランドルトとしばらく話し込んだらマリーの迎えが来た。
いや~おじいちゃんやたらこの世界に詳しくて面白い話を沢山聞けたな。
この世界には勇者はもう既にいるらしい。
それにデスティザークと言われる魔王的悪の組織がいるという。
俺が勇者なのでは?と思っていたが、他に勇者がいて残念だった。
「ルイスちゃーん!帰りますよー」
そろそろ暗くなってきたし、早く帰って父さんや姉さんに会いたいな。
俺はマリーに抱っこされ帰路についた。
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