死とは、その先にあるものではなく、ある日ドボン、とぬかるみにはまるのかもしれない。その時、他者がどう励ましたとしても、届かないかもしれない。けれど、ふとしたきっかけで、顔を上げた時。世界は割と、知らない色で溢れていることに気づくのだろう。雨上がりの眩しさと、光を通して反射する滴が見えそうな物語です。
作者さまや他の繋がりさまたちにご出演いただいた、わたしのとあるお話のなかで。作者さまがひとつの物語を書かれるのです。のちに世界のかたちを変えることになる、とてもおおきな、物語を。本作はそのタイトルにちなんでいただいたものです。主人公が雨に打たれて見上げる空。灰色の、なんにもない空。心を預けられるものも、支えてくれるものもない、そう、感じているようです。でも。ゆりかごの森からやってきた、たくさんたくさんの、想い。かたちのないいのち。主人公がそこにいる、そのことをことほぐ、たましい。いつでも、そこに。
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