南の海に浮かぶ小さな島。その岬にある朽ちかけた木造の小屋から夜な夜な歌が聞こえるという。そんな舞台で物語は始まります。主人公はその島で喫茶店を営む女性、美沙子。彼女は幼い頃より密かに岬の小屋へ遊び行っていた。島では小屋はやがて取り壊され灯台が建つ計画が持ち上がる。そんなある日────不穏な怪談から始まった物語は、読む人を、まったく異なる心の動きへと誘います。情趣溢れる短編です。御一読ください。
「はなさないで」というKACのテーマをうまく活かした良い作品でした!ホラーとも断言できない独特の切なさや空気感が魅力の一作です。
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