第27話 性格を直せば、ウハウハなのか?
ゆえに、不安が隠せない
「さっき言ってた条件って、もしかしたら…………」
「ちゅぅ、そんなに身構えなくても大丈夫。やってもらうのは、父さんにでも出来ることです」
「俺にでも出来ること?」
「ちゅぅ。それはですね、先ほどの非礼。彼女に対する暴言を素直に謝って欲しいのです」
たしかに、謝罪一言で許して貰えるのであれば、苦も無く簡単なことであろう。けれど、そんな些細なことで寿命が縮むなど、到底考えられるはずもない。これにより、さすがの
「彼女って、
「ちゅぅ、そうです」
「そうですって、 なんで俺が
「ちゅぅ、余計な詮索はしないといいましたよね」
納得がいかないとばかりに、
「余計な詮索だと? 待て待て! そもそも俺と
(ちゅぅ……イチイチ面倒くさい人ですねえ。未来では、こんな性格じゃなかったはずですが…………。 ひょっとして、父さんの身に何かあったのか?)
「――で、どうなんだ!」
「ちゅぅ、はいはい。これから説明するので、焦らないでください。つまりですね、先ほども言ったように、父さんは少なからず性格に問題があります。なので、まずは小さな事からコツコツと始めなければなりません」
「性格? 俺のどこに問題があるというんだ。いたって普通だと思うが?」
(ちゅぅ……ここまできたら、問題というよりも重度の病気ですねえ……)
「んっ?」
「ちゅぅ。とにかく、このままだと未来の父さんは独身貴族。誰にも相手にされないまま、孤独死することになります。そうならない為に、僕がキューピッドとして遣わされたんじゃありませんか」
「孤独死かぁ……それは、ちょっと寂しい気もするな」
「ちゅぅ。ですから、少しずつでも良い方向にしていくために、目の前の事から改善していきましょう。そうすれば、未来はモテモテの人生。もしかしたら、父さんが想う意中の人からアプローチを受けるかも知れませんよ」
「俺が想う意中の人…………?」
「ちゅぅ、そうです。あとは僕がしっかりとサポートします。なので、先ずは彼女に謝ってみることから始めてみませんか?」
「そっ、それもそうだな。お前がサポートしてくれるなら、少しぐらい頑張ってみるか」
「ちゅぅ、その意気込みです」
「っていっても……
「ちゅぅ、そのことだったら大丈夫ですよ」
「大丈夫?」
「ちゅぅ、母さ――じゃなくて、彼女はそんな人ではありません。とても心優しい、思いやりのある人。父さんのことを気遣って、必ず待ってくれているはずです」
「
「ちゅぅ。そう思うのでしたら、ご自身の目で外を眺めて見てください」
「あれは……
「ちゅぅ。どうやらその顔は、見つけることが出来たみたいですね」
「まさか、待ってくれていたのか……」
「ちゅぅ、そうですよ。ですから、あまり待たせても悪いので、早く行きませんか」
予想外の出来事に動揺し、思わず息を呑む
🌷わたしが導く幸せな結婚~生と死の境界の中で……🌷 みゆき @--miyuki--
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