「三分以内にやらなければならないこと」というお題で、「幼馴染の結婚式の、友人代表のスピーチ」というセンスに、まずはグッと来させて頂いた拍手を!
そして「三分のスピーチ」を台詞表現によって遺憾なく駆使した、主人公の心情、感情の吐露……本来なら「友人代表のスピーチ」として言うべきではないかもしれないこと、けれどそれが、こんなにも読む者の心を震わせるのは、なぜなのでしょうか。
そこにはきっと、善も悪もなく、本物の「人間の心」があり、だからこそ自分の心にも、文字通り沁み入るのだと思います。
1900文字の物語、主人公が行った「三分のスピーチ」がどのようなものだったのか……是非とも、ご一読をオススメさせて頂きたいです……!
主人公は披露宴でタブーを犯してしまう。
それは友人代表スピーチとしては最悪のものだ。
最悪ではあるが、また勇気のある行動だと思います。
うわべだけの祝辞なんて意味がありません。
この友人スピーチは主人公と新郎新婦にとっては、一つの区切りとなったのではないか。
披露宴当日、三者三様に複雑な心境があったでしょう。
主人公の本心を語ったスピーチは三人それぞれの新たなスタートとなり、お互い前を向いて生きて行くきっかけとなることを願ってやみません。
とても考えさせられたのは、スピーチ後の新婦の表情が何を意味するのか……彼女の心の内は。
もし、主人公がもっと早く彼女に思いを伝えていたら、新郎の席に座っていたのは……。
とても切なくも美しい物語です。感動いたしました。