第3話 詩 霧笛 (海に沈む星)

昼でもお構いなくたなびくもや

うざったく感じながら

まとわりつかせたままに

日常をこなす


仕事がはねる時間ともなれば

否が応でも

湿度を増して

もやきりへと変わるだろう


暗夜あんやのくせに

白けきった

うちっかわを持て余す


独り寝の夜

海の底に沈んだ

星々の嘆きが歌枕うたまくら


濃霧のうむ立ち込める頭の中を

霧笛むてき鳴らして 

船が行く







-----------


【靄】水平方向で見通せる距離が1km〜10km未満

【霧】水平方向で見通せる距離が100m〜1km未満

【濃霧】陸上で見通せる距離が100m以下、

海上で見渡せる距離が500m以下


【霧笛】海上で濃霧の際、灯台や船がその位置を他の船に知らせて、衝突や座礁を防ぐために鳴らす合図の笛。また、その音。



詩は自由に読んでいただければ……。



白い靄などは心のうれい。


『海の底に沈んだ星々の嘆き』

海や星は何を指しているのか、この詩のキモであり解説を書くのはいささか野暮であります。


思い出の中の、記憶の中、沈めた心の奥底、恋心、叶わなかった夢、悔しさ、かなしみ、希望、などなどなど……

お好きなものを。


ヒトデは海の星でもあります。


海の底で生きて歌うか

底でさめざめ波間にさざれる小石のように、いつか丸みを帯びていくのだろうか









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からすき星 蜂蜜ひみつ @ayaaki

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