コントでも、演劇でも、落語でも、人と人が接して紡がれるエンターテイメントに決して欠かせない要素、それが「間」というものです。上手い人は本当に間のとり方が上手で、どんな結論が待っているのか聞き手は思わず身を乗り出してしまうもの。
そこをズバッと切りつける、爽快にして痛快ですね!
この作品はそういった間を非常に大切にしている所が好印象でした。
そしてテーマである家。誰もがくつろげるよく見知った空間でありながら、案外と死角になっている箇所は多いもの。例えば排水管の奥は? 例えば壁の向こう側は? 例えば貴方が住む前の過去は? 見えていませんよね?
この話はそうした死角から奇襲をかける怪異たちを語ったショートストーリーなのです。簡単に読めて楽しめる、怪談の職人芸をお探しであれば是非!