第2話 短歌 星の砂

月夜蟹 そぞろに歩く 星の砂 ほれ この通り たわいもなしや


つきよがに そぞろにあるく ほしのすな ほれ このとおり たわいもなしや






自由に味変あじへんを楽しもう


①月夜に蟹たちがよちよち歩いて、通り道が星の砂の上にたわいもなく掘られてく。一茶や賢治のような気分で生き物をでうたう幻想童話。


②満月の中に浮かぶ蟹の形に思いを馳せて。そぞろに歩くのは蟹か、たわいもない会話をしながら月を見上げ通りを歩く、夜のお散歩中の私たちか。



☆月夜蟹の意味を取り入れよう☆


中身の無い事柄のたとえ、として使われる言葉。

主な由来は下記の二つ。

カニが月光を避けるため、餌にありつけずに身が痩せる。

多くのカニは月夜に脱皮するので、脱皮直後のカニは身が痩せていて、その上水っぽくあまり美味しくない。


③沖縄の星の砂のビーチ。所詮しょせん中身のない甘いささやきだとどこかでわかっていても、て落ちるは夏の恋。駆け出す心抑えつつ、浮かれそぞろに歩く自分のなんてたわいもないことか。


④文芸的作品ってなんだろう。

きら星のごとき友人の優しき声をかき集め、ほんのり輝く勇気の星砂の上をそぞろに歩いて生まれたこの。いくらカッコつけて注釈たれようが、ほれこの通り。楽しい我はモクズショイ。たわいもない月夜の蟹のようにスカスカでウマくもないが、それもまた持ち。喧嘩上等じょうとう啖呵たんか。 

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