神のシュトーレン

その男はかくも不遇な人生を送っていた。
幼少期は然ることながら、高校中退後もうだつの上がらない毎日を送り、現在はホームレスとして橋の下で過ごしている。
ある日、公園でぼぉっと空を眺めていると、1羽の青い鳥が目に入った。
｢あの鳥の様に自由に飛んで行けたら｣
そう思った時、突然目の前に一人の老人が現れ銀紙で包まれた何かを渡し
｢願いを込めながら食べよ｣
言って、また突然消えた。
包みの中身はシュトーレンだった。

多少不思議には思いつつもそのシュトーレンを齧った。
これから次次に起こる、想像もつかない出来事など夢にも思わずに。

※作中に一部差別用語が使用されておりますが、そういった意図は一切ありません。
世界より差別と貧困、虐めや戦争が無くなる事を祈って
※クリスマス過ぎてますがぜひ