ありふれた物語? 本当に!?

おとなしくて目立たない、本当に目立たない、下手をすると存在を忘れられてしまうほど影が薄い主人公のユウ君。小さな村でちょっと変わったご両親に育てられた普通の子。そんな彼が冷蔵庫に入っていた巨大な薄緑色の卵を見つけてしまったところから物語は始まる……

確かに一見するとタイトル通り「ありふれた物語」です。村のモブ少年が仲間達と変な鳥とともにある目的のために旅をするお話です。

しかし張り巡らされた伏線の数々は……これはもうミステリー作品のように完璧に計算され尽くして、最後まで出来上がっているとしか思えません。キャラクターの性格設定や言動まで計算して作り上げられていることでしょう。

その最たるものが主人公のユウ君、本当に普通の人です。御大層な目的があるわけでもなく流されるように旅に出させられ、鍛錬を積んで成長するでもなく、何かの力に目覚めるでもない、どこまでも一般人らしい行動理念の普通の子。でもそれこそが物語の鍵になるらしいという絶妙なキャラ設定、もう何もかにもが伏線に見えてきてしまいます(笑

でも全体として緩い雰囲気、個性ある仲間達との軽妙な掛け合い、恋愛未満のちょっとした憧れ、でもやっぱり自分からは何もしない、何も起きない、ありふれたようでありふれていない物語。ふんわりライトでミステリーなこの作品、ぜひご一読ください。


この作品にぴったりのイメージイラストが掲載されていますので、ご参考までに。

https://kakuyomu.jp/users/nitosawa/news/16818093073617279524

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