概要
──視え過ぎてしまうのも、好いことばかりではありませんよ……。
男は鳥居の前で佇んでいた。
幽邃さをも飲み込んでしまうかのような
真夏の蝉時雨が慟哭として響き続いている。
林道に並ぶ蛙のそれさえ、
焼けるように背中にこびりついていた。
────。
ふと、鈴のような声が流れる。
巫女の美しい一礼が、辺りの音を消し去った。
何かに……呼ばれている。
男が鳥居を潜ったその日、
くじゃくのなかの『倭』が目覚め始める──。
中編作品です。
間隔は空くかもしれませんが、
都度、公開していきます。
よろしくお願いします。
川辺いと
※一部、残酷な描写等ある話が出てきます。
ご了承願います。
本で誰かを支えてあげられる人になりたいです。
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