おまけ タイヨウくんの秘密
二人が大学生です。お泊まりしてます。
甘くと思ったら違う方向に進みました。すみません。
ーーーーーーーー
ふと、夜中に目が覚める。
慎重に身体を起こすと、隣で寝ていたミヅキさんが丸まっていた。
俺は起こさないように、そっとトイレに行こうとした。それと同時に、後ろから裾を掴まれる。
「どこいくの」
まだ半分眠っているのか、舌足らずな口調で、ミヅキさんが言った。
「いっちゃやだ……」
「トイレに行くだけだよ」
俺も寝ぼけていたのか、出てきたのは敬語じゃない言葉だった。
俺はミヅキさんの猫っ毛を撫でる。
そのまま出ようとして、今度は腰にしがみついてきた。思わず体を強ばらせる。
「最近この時間帯に出て行ってない?」
ミヅキさんの言葉に、さらに俺は身体を強ばらせる。
何も答えないでいると、ふと、俺の体の一部に変化があることに気づく。
そして、逃げるエビのように俺から離れた。
「ご、ごめん……」
「いや、こちらこそ……」
気まずいんだか、申し訳ないんだかわからない。
このままトイレに行くのは気まずいけれど、かといってこのままベッドに潜り込む気にもなれない。
どうしようか、と考えていると、ぐう、とミヅキさんのお腹が鳴った。
ミヅキさんが顔を真っ赤にして、お腹をおさえる。
「……ご飯、食べますか」
俺がそう言うと、こくん、と彼女はうなずいた。
トースターの上に板チョコを乗せるのが、最近のミヅキさんの流行りらしい。
俺もご相伴に預かって、焼いてもらうことにした。
コーヒーをいれて、二人でソファに並んで座って食べる。
黙々と食べていた時、ミヅキさんがあのね、と切り出した。
「謝らなくていいからね。
その、私をエロい目で見てなった訳じゃないってわかってるから!」
思わずコーヒーを吹き出した。
恋人は私の秘密を知らない。 肥前ロンズ @misora2222
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