Re:Bonds ーキズナー

第1話 プロローグ

陽光が街を照らし、新しい一日の始まりを告げていた。高校を卒業したばかりの梅友裕太郎、通称ウメは、繊細で内向的な性格を持っていた。

身長はそれほど高くなく、痩せ型であり、メガネをかけている。彼の顔立ちは至って普通で、特別な魅力もない。どこにでもいる、いわゆる典型的なモブ型だが、その穏やかな雰囲気が、人々が話しやすい不思議な魅力を持っている。

「――ふぅ、いよいよ今日からか……」

ウメはそっとため息をつきながら、不安な気持ちを抱えていた。新しい仕事のスタートに胸が高鳴る一方で、他人との関わりや新しい環境への不安も彼の心を揺さぶっていた。

ゲームやアニメ、漫画、フィギュア――それが彼の生きる世界であり、心の拠り所だった。しかし、彼はいつも自己表現に苦しみ、他人との交流に臆病になってしまう。

対人恐怖症、人前で話したり、注目を浴びたりすることや、評価されることに対する強い不安があり、避けたり苦痛を感じる心の障害。

そこまで重度ではないが、そんな心の病をもっているのだ。

そんな中、ウメは過去の記憶を振り払い、新たな一歩を踏み出すことを決意した。彼が向かう先は、未知の世界だが、それでも彼は前を向いて進もうと決めた。