実際の歴史を人々と同じ視点から見る神様のお話

日本最大の港の一つ横浜。
その歴史は実際に起きたペリー来航によって、港が開かれたことから始まります。
その変化を、当時人々共にあった神の視点で描かれます。
神と言っても、大仰な神ではなく、本当に人々に慕われていた小さな社に住まう神、弁財天。
弁天とも呼ばれるこの神様は、音楽を愛し、人々に幸福をもたらす神ですが、この物語の中では人々共に在って、人々を見守る存在。

その神の目を通して、幕末から変化していく横浜という街の様子を見ていく物語です。
緻密な調査に裏打ちされた当時の雰囲気の描写が素晴らしく、幕末の空気を感じ取れます。
私自身横浜市に住むので、とても楽しく読ませていただいています。

弁天と、おつきの宇賀神が織りなす横浜幕末奇譚、お楽しみください。

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