亡霊少女は死りたがる

その少女の行動に目的は無かった。

“黒い外套”
”血のように赤い瞳”
“乱雑に切られた髪の毛”
自らの背丈よりも大きな薙刀を携えて歩く姿はまるで、彷徨う亡霊だ。

やりたいことなんて、考えたこともない。
そんな少女に、ある国で出会った死者はとある提案をした。

『ねぇ、本当にやりたいことがないのなら、貴方は自分の善意の理由を探す旅に出たらどうかしら？』

若くして離れ離れになった親子。
もう親友と手を繋ぐことすらできない老婆。
大樹の世話に人生を捧げた娘と樹の精霊。

様々な種族・年齢・性別・寿命・性格。
古今東西の様々な存在と関わっていくうちに、亡霊少女は”世界”を知っていく。