The Party Is Over 〜 宴の終わり 〜

日本の「失われた30年」を、斜面を滑り降りる行為……スキーとスノボに重ねる比喩が、鮮烈かつ説得力に満ちている作品です。

特に「自律的な目標設定の失敗」への言及は、現状を的確に捉えた本質的な指摘だと感じました。

「宴の終わり」というタイトル通りの、シニカルで覚悟を問う傑作の論考です。
一読の価値あり！

　『The Party Is Over 〜 宴の終わり 〜』を読んで感じたのは、まるで長い時間をかけて育まれた日本社会の光と影を、静かに、しかし鋭く照らし出す鏡のような作品だということです。軽妙な比喩や日常的なイメージに重ねられた社会の歩みは、読み進めるほどに「自分はどう歩んできたのか」と振り返らせてくれます。時代の熱狂や幻想の残り香を描きながら、同時にその先にある「これから」を優しく促してくれる言葉に、不思議な温もりを覚えました。世代を超えて共有できる気づきが詰まったエッセイです。

特におすすめしたいのは、「失われた30年」を肌で感じてきた世代の方や、これから社会を背負っていく若い世代の…続きを読む

　栄枯盛衰、この国と人々は何処へ流離うのか？　そこにいたる出来事や考察を、端的に分かりやすくまとめられた興味深いお話です。
　同じ時代を辿っていなかったとしても、どこかしら思い当たるところがあったり、歴史的な出来事を想い浮かべます。行き着く先になにが待っているのか？　それもまたこの先へのひとりひとりの『個・迷える子羊たち』がどうふるまうのかにもよるのかもしれません。是非。

良くも悪くも一つの時代が終わり、我々が「江戸時代的」メンタリティから脱却できるか否かが問われているような気がします。目の前の「壁」が崩壊したときに何をなすべきか、今一度じっくり考えてみるときでしょう。