第7話 炎の使徒との対峙(前半)
リアンは迷宮の深淵に足を踏み入れると、突然の熱気に包まれた。彼の呼吸は重くなり、まるで空気自体が燃えているかのようだった。そのとき、闇の中から一つの影が現れた。影は徐々に形を変え、炎の使徒、ゴラムの姿を現した。彼の手には、炎を纏った剣が握られていた。
「リアン、私はお前を追って遥かな距離を旅してきた。凍火の結晶を手に入れるためになら、どんな犠牲も厭わないというのは本当か?」ゴラムの声は、暗闇の中で響き渡り、リアンの心に深く突き刺さった。
リアンはゴラムに対峙し、静かに剣を構えた。「ゴラム、私はただ平和を求めている。しかし、お前が戦いを望むなら、私は逃げ出さない。」
その言葉と共に、ゴラムは炎の剣を振り下ろし、リアンに襲いかかった。リアンは剣を振るうゴラムの動きを熟知していた。彼は踏み込み、ゴラムの攻撃をかわし、反撃に出た。氷と炎が交錯する中、二人の戦士は疾風のように動き、剣は鋭い音を立ててぶつかり合った。
リアンはゴラムの剣の炎を氷の魔法で冷却しようと試みたが、ゴラムの力は想像以上に強力だった。炎はリアンの氷を溶かし、彼を追い詰めた。リアンは一瞬の隙をついて距離を取り、呼吸を整えながら次の一手を考えた。
ゴラムは再び攻撃を仕掛けた。その炎はまるで生きているかのように蠢き、リアンを包み込もうとした。リアンは氷の壁を立て、炎を防ぎながら、ゴラムの動きを読んでいた。彼はゴラムの攻撃にはパターンがあることを見抜いていた。炎の使徒が次の攻撃を仕掛けるとき、リアンはその瞬間を見逃さなかった。
彼は氷の壁を砕き、前に踏み出し、ゴラムの隙をついて反撃に転じた。氷の剣が炎の剣と激しくぶつかり合い、二人の戦いは極限まで達していた。リアンの氷の剣はゴラムの炎の防御を突き破り、彼の鎧に微かな傷をつけた。ゴラムは一瞬後退し、リアンに対する敬意のまなざしを向けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます