第8話 炎の使徒との対峙 (後半)

ゴラムの目に一瞬の驚きが浮かんだ後、彼は攻撃のペースを速めた。リアンは彼の炎の剣から放たれる熱波を感じながら、冷静に対応した。ゴラムの剣技は精確で、リアンに対するプレッシャーを徐々に増していった。リアンは氷の力を最大限に引き出し、ゴラムの炎の剣を何度も防いだが、それでも炎は彼を包み込もうと襲いかかってきた。


空気は熱と寒さで振動し、迷宮の壁には氷と炎が交錯する光が反射し、幻想的な光景を作り出した。リアンは戦いの中で、ゴラムの剣から放たれる炎のリズムを感じ取り、自分の動きをそれに合わせていた。彼はゴラムの攻撃をかわし、同時に自分の剣で狙いを定めた。


ゴラムの次の一撃が迫る中、リアンは氷と炎の力を融合させる決断をした。彼は深く呼吸をし、剣に氷の力を集中させると同時に、内に秘めた炎の血の力を解き放った。氷と炎のエネルギーが剣の中で融合し、剣から放たれる光は強烈な輝きを放った。


ゴラムが最後の一撃を放とうとしたその瞬間、リアンは全力を込めて剣を振り下ろした。氷と炎が一つとなった力は、ゴラムの炎の剣を圧倒し、彼を後退させた。強烈な光と音が迷宮に響き渡り、二人の戦士は一瞬、力の衝撃で動けなくなった。


ゴラムがゆっくりと立ち上がると、彼はリアンを見つめ、深い敬意を込めた声で言った。「リアン、お前の力は予想以上だ。お前は氷と炎の血を受け継ぐ者として、真の力を見せた。凍火の結晶を探すお前の旅が、真の平和をもたらすことを願う。」


リアンはゴラムに頷き、氷と炎が融合した自分の剣を見つめた。彼はゴラムとの戦いを通じて、自分の内に秘めた力の真の可能性を感じ取り、新たな自信と決意を胸に、凍火の結晶への道を歩み続けた。彼の旅はまだ終わらない。氷と炎の息子としての運命が、リアンをさらなる冒険へと導いていた。

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