続・創作色々論

麻田 雄

第1話


 第一部のあらすじ



 友人の赤坂あかさかがWEB小説を書き始めたいと言い出し、色々あってタイトルが決まった……以上。



 で、何故だか俺が、決まったタイトル(殆ど俺が決めたようなもの)『ゆるふわ令嬢は”可愛い”スキルで追放を始めました』の大まかなストーリーを組み立てる話になってしまった。


 俺はこんな事をやっていて良いのか?

 自身の作品(友人には隠しているが底辺作家)が、軽くエタりかけているのに、何故、他人の作品の手伝いをしなくてはいけないのだ?

 っと、少し考え込みながら、自室でノートパソコンと睨めっこをしていた。


 だが、少し考え方を変えてみよう。


 自分の作品は今、間違いなく行き詰っている。

 だからこそ先が思い付かない。

 ならば、少し視点を変え、違う物語を書く事で見えてくるものもあるのではなかろうか?


 ……という、考えがエタる原因に繋がる事も、良く理解している。


 だからだ、俺は友人の事を思いやり、手助けしてやろう!という思いなのだ。

 そう、純粋にそれだけなのだ。


 なんだか言い訳がましくなってしまったが、始めるとしよう。

 あまり長時間引っ張るつもりも無い。

 簡単に纏めよう。


 と、そう考えた瞬間。

 一つの案が思い浮かんだ。


 それは、自身の小説では絶対に執らない手段。

 禁忌としている方法。

 AIなら何と答えるのか?


 「AIに頼るなんて邪道だ!」という、反骨精神はあるのだが、同時に興味もあった。


 今回は自分の作品じゃ無いし、ちょっとだけ、軽く使ってみるか?

 これも時代の流れを知る為の有用な勉強だ。


 俺はチャットG〇Tにログインした。



 そして、入力したのは――


 『ゆるふわ令嬢は”可愛い”スキルで追放を始めた』で話を作って。だ。


 数秒の沈黙の後、モニターに文字が打たれていく。


 内容としては、リリアンという令嬢が、王国をその”可愛い”スキルで魅了し崩壊させていくというようなものだった。


 浅い、浅いぜAI!その程度の事は俺でも想像出来たさ。



 その後も多少ニュアンスを変えながら、AIの作り話を閲覧していた。


 『スキル』という言葉のせいもあってか、ファンタジー要素の強いモノが多かった。

 主人公の名前はその都度変わり、方向性も「悪徳令嬢モノ」では無く、”可愛い”スキルで王国を救うというモノもあった。


 ただ、『王国』『仲間』『冒険』というワードが多かったのは、やはり『令嬢』『スキル』の影響なのだろうか?



 どれも、予想を覆すようなものでは無かったが、参考にはなった。


 そこで、ふと。

 本当に悪ふざけに近いモノだったのだが、気になり入力してしまった。



 『お腹のゆるい令嬢は”恥ずかしい"スキルで追い出しを始める』で話を作って。と――。(詳しくは【創作色々論】を見て下さい)


 以下、チャットG〇Tが答えた全文を記す(ほんの一部、スペースや文体的におかしかった部分だけ修正していますが、99.8%くらいそのままです)。

  


  ◇  ◇  ◇



 王国で知られるお腹のゆるい令嬢、ミルクリア。

 彼女はある日、お腹のゆるさが突如 「恥ずかしい」 スキルに変わり、その影響で周囲の人々を笑顔にすることができるようになりました。


 しかし、王国では厳格な慣習や礼儀が重んじられており、ミルクリアの新しいスキルが恥ずかしい出来事を引き起こすことになります。

 彼女は最初は困惑しながらも、お腹のゆるさを武器に変え、周囲の人々を笑顔にさせる冒険を始めます。


 ミルクリアはさまざまな場面で、お腹のゆるさを発揮し、人々を笑わせながらも心を通わせていきます。

 途中で仲間たちとの絆が深まり、彼女 のスキルが王国の状況を変えるキーファクター となります。

 物語は笑いあり、感動ありのユニークで明るい冒険が続きます。



  ◇  ◇  ◇


 俺は、深夜の自室で、笑い声を殺すのに必死になった。

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