三日国王〜『奇跡の人間』と呼ばれた青年は……

　物語の後半に、“世界の秘密”が潜んでいる。

　その国の民は、五体不満足で生まれてくるのが普通だった。しかし稀に、五体満足で生まれる人間がいた。その者は『奇跡の人間』と呼ばれた。
　青年は奇跡の人間だった。特別な自分に誇りを持ち、自分以外の普通の人間を差別した。国王に選ばれてもその姿勢は変わらなかった。
　ところがある日、不運な事故で片腕を失う。王の資格を失い、奇跡の人間ではなくなった青年は、普通の人間と生活を共にすることになる。それが、青年の人生を一変させる出来事となった。
　先王を始めとした、世界中の人々の悲願を叶える道を歩き出すことを知らずに、青年は叶わぬ夢を見る。

　これはフィクションか。それとも……。
　もしもの世界を描いた、不思議なファンタジー。



この短編は、以前、県コ…続きを読む