第3話 自己責任でお願いします!

男性職員が次々にYouTubeの動画を再生していく。

「ああ、これだね!山本君が映ってるヤツ」

「先輩!スゴイですね!もう動画を見つけたんですか?」

「あれ?野間ちゃん、この動画を観てないの?」

「はい、まだ観てません。これ静止画の切り抜きを食堂のおばちゃんに貰いました」

「ああ、なるほどね…じゃあ一緒に観ようか!」

「はーい!」

元気よく手を挙げる野間ちゃんの乳は上下に揺れたのだった。

男性職員の横に座り一緒にモニター画面に映し出された映像を見る野間ちゃん!


これね、仮にAさんとさせてください。

「でたAさん!」

「もー先輩!うるさいです!」

「ごめんごめん」

怒る野間ちゃんに謝る男性職員。


もう一度最初から再生する男性職員。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「これね、仮にAさんとさせてください」

「はい」

司会の男性がゲストの男性に相槌を打つ。

「僕の友人の話なんですよ…」

「ああ、Aさんが…ご友人…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それからも、ゲスト男性の体験話は続き

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なるほどね…」

「行ったらアカン廃墟に行って撮った写真なんですわ…」

「今日はその写真をお持ちになっていると…」

司会の男性に頷くゲスト。


「元々は…曰く付きの場所なのですか?」

司会の男性がゲストに質問した。

「これね…この場所がね…ピーを入れてくださいね…」

司会の男性は頷く。


「元々は〇〇〇〇〇○○事件があった場所なんです」

「ああ、あの○○○○〇の事件ですよね!ハイハイハイ。当時かなり報道されてましたよね…」


「島梨さんは、ユーチューバーの二人組の…ここピー入れてくださいよ!」

「はい、大丈夫です。続けてください」

「〇〇〇〇〇○チャンネルをご存じですか?」

「あーとぉ…うーん…昔に一度見たかなぁ~ぐらいです。確か廃墟を見て回ってたかな…?間違ってたら、ごめんなさい」


「あってます。そのね、廃墟に行ってから二人が老婆の霊を見ると周囲に話してたんですわ、それから二人に連絡が取れなくなったんです」


驚く司会者。

「じゃあ今、チャンネルは…」

「動画の投稿は…その廃墟のヤツ以降…ありません…」

「な、なるほど…」

恐怖に顔が引きつる司会者。


「そのね…老婆の話を聞いた奴が僕の友人なんですわ…そんで面白がってね、友達と一緒に廃墟に行ったらしいんです」

「はい」

「その時に撮った写真が…これです…!」

ゲストが裏返しの写真をカバンから取り出した。

「みなさん!ここからは、自己責任でお願いします!くれぐれも心臓の弱い方、怖いのが苦手の方は…ここまでの視聴にしてください!」


そして、更に!

「もう一度言います!ここから先は…完全に自己責任でお願いします!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る