第5話 ねぇ、私……綺麗?
男性職員が再び動画の再生ボタンをクリックして映像が再び流れたのだが…
ピーンポーンパーンポーン!
恨み晴らす課の野間さん!大至急!お迎え課までお越しください。
もう一度繰り返します!
恨み晴らす課の野間さん!大至急!お迎え課までお越しください。
ピーンポーンパーンポーン!
「もーなんなんですかぁー!いいトコなのに…」
勢いよく椅子から立ち上がった野間ちゃんの乳は激しく上下に揺れていた。
「ウンウン。大変素晴らしい揺れだった…」
野間ちゃんは、男性職員の方を見て
「もー先輩!直ぐに行って直ぐに帰ってきますから、動画停止して待っててくださいね!」
「ああ、うん。ゆっくりと行ってきなよ。コーヒーでも飲んで待ってるからさぁ!」
「はい。行ってきます!」
プンプンしながら、お迎え課に向かった野間ちゃんを見送った男性職員。
野間ちゃんを見送った男性職員は、自身の使用してる机の引き出しを開けて、湯沸かしポットとペットボトルの水を取り出して机の上に置いたのだ。
「さてと…湯を沸かしますか…」
ボットに水を注いでから、配線用差込接続器に湯沸かしポットのコンセントを差し込んで準備完了。
湯沸かしポットのボタンを押して、湯が沸くのを待っていた。
「ああ、マグカップとコーヒーの粉を用意しないと…」
座っていた席を立ち横の部屋にあるロッカールームに移動したのだ。
自分専用のロッカールームから、マグカップとスティックコーヒーを出して、再び恨み晴らす課に戻った男性職員。
「うん?なんで電気が…」
恨み晴らす課に戻ってきたら、部屋が真っ暗になっていたのだ。
真っ暗な部屋を気にする事なく進み電気を付ける男性職員。
部屋を明るくすると突然背後から気配を感じたのだ。
そして、振り返ったら…
「ねぇ、私……綺麗?」
そこには…
真っ赤なトレンチコートを着た女性が立っていた。
男性職員は…無言のまま女性を見ていた。
そして…再び
「ねぇ、私……綺麗?」
真っ赤なトレンチコートを着た女性は、顔を覆い隠すようにデカいマスクをしており、目元しか見えていなかった。
「ええ、とても美しいですよ!」
「本当に?」
「はい」
男性職員は、真っ赤なトレンチコートを着た女性の目を見て答えたのだ。
真っ赤なトレンチコートを着た女性は、下を向き顔を覆い隠していたマスクを外したのだ。
そして…
「これでも…キレイかぁー!!!」
女は顔を上げて男性職員を睨みつける!女の口は耳の辺りまで裂けていたのだ。
「ええ、そのお口で是非とも、私の相棒をぺ…」
「ストップ!ストップ!それ以上はセクハラよ!全く…貴方は全然変わらないわね…」
男性職員の発言を遮った口裂け女。
「お久しぶりです!酒口さん。珍しいですね…こちらに顔を出すなんて」
「ええ、そうね。久しぶりに食堂のおばちゃんが作るカレーライスが食べたくなったのよ」
「ああ、おいしいですよね!」
「ウンウン。素朴な味が良いのよ!」
「今なら季節限定のカレーもメニューにありますよ」
「ホント!やったー!良い時期にきたわ~♪」
喜んで万歳をする口裂け女。
「自分のおススメは、濃厚チーズたっぷりハンバーグカレーです!」
口裂け女と食堂のカレー話で盛り上がった男性職員であった。
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