第6話 ポマードとべっこう飴
口裂け女とのカレー話で盛り上がってる恨み晴らす課の男性職員。
カレー話もひと段落して、
口裂け女は野間ちゃんの机を指さして、男性職員に尋ねたのだ。
「野間ちゃんは居ないの?」
「今、お迎え課に行っています」
「久しぶりに会いたかったのに残念ねぇ~」
残念がる口裂け女。
「そろそろ戻ると思います」
「また次回でいいわぁ~ああ、そうだ!そうだった!」
野間ちゃんの机の横に置かれている巨大なカバンから、
次々に男性職員の机の上にポマードとべっこう飴を積み上げていく口裂け女。
「これ、二人への差し入れよ!」
「あの……?」
大量のポマードとべっこう飴に困惑する男性職員。
「なんか知らないけどね、お供えされてたのよ…よくわかんないけどね…私のお墓が出来ててね…そこに大量のポマードとべっこう飴がね…お供えされてたから、引き取れって言われたのよ…ホント迷惑しちゃうわぁ…」
かなり迷惑だったようで、顔を歪める口裂け女。
「なるほど…」
リアクションに困る男性職員。
「べっこう飴の方は、野間ちゃんにプレゼントよぉ~!」
「分かりました。野間ちゃんに渡しておきますね!」
ウンウンと頷く口裂け女。
「それじゃあ~またねぇ~!」
そう言い残して食堂の方面に歩いて行ったのだ。
口裂け女の後ろ姿を見ながら男性職員は…
「ポマード、1度も使ったことないんですがね…」
50個以上の様々なポマードが男性職員の机の上に乗っているのだ。
しばらくの間、大量のべっこう飴とポマードを、ぼーっと眺めていた男性職員であった。
取り敢えず、コーヒーを飲もうと続きを再開した男性職員。
ぬるくなったお湯を再び沸かして、インスタントコーヒーの粉を入れたマグカップに熱々のお湯を注いだ。
椅子に座り大量のポマードとべっこう飴を眺めながら、インスタントコーヒーを飲む男性職員。
「最近の粉コーヒーのレベルは高いですね」
のんびりとインスタントコーヒーを飲んでいると
バーンっと激しく扉を開ける音が恨み晴らす課の部屋に響いたのだ。
扉を開け中に入ってきたのは、野間ちゃんであった。
「もおっ!先輩!もおっ!もーもー酷いんですよ!お迎え課の連中!」
興奮した野間ちゃんが乳を激しく揺らして、もーもー言いながら部屋に入ってきたのだ。
「一先ずこれでもぺろぺろ舐めて落ち着いてね!野間ちゃん!」
野間ちゃんに、べっこう飴を渡す男性職員。
「なんですかコレ?」
プンプンしながらも男性職員に尋ねる野間ちゃん。
「べっこう飴だよ!」
「アメ…ああ、はい…」
男性職員から渡された、べっこう飴に困惑する野間ちゃん。
そして…
「なんですか、それ?」
机に大量に積まれている、べっこう飴とポマードを見つけて困惑する野間ちゃんであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます