第2話 始末書を書く死神

「せんぱーい!お婆ちゃんを無事に死神課に送りました~」

「野間ちゃん、お疲れさま!席に座って、しばらく休憩しなよ~」

「はーい!」

男性職員の向かいに座る野間ちゃん。


「今回の恨みポイントは高得点を叩き出したからね…現世のYouTube動画がとても楽しみですね」

「先輩、悪い顔してますよ」

「配信者たちは出された餌に飛びつくからね…」

「全く困ったものです」

ため息をつくと同時にデカい乳が揺れる野間ちゃん。


「現世では、人を呪わば穴二つと言う『ことわざ』がありますが、そんなモノは存在しませんよ。恨まれて当然のことをした人には、それなりの報いが必要ですから」

「その為の恨み晴らす課ですか?」

「ええ、そうです。私たちは、踏みにじられた故人の恨みを晴らす課なのですから、より良いプランを提示して恨みを晴らして成仏してもらう為に頑張りましょう!」

「はーい!」

「ウンウン。元気があってよろしい!」


それから約半年後、


「せんぱーい!せんぱーい!」

「そんな大声で呼ばなくても聞こえていますよ野間ちゃん!」

「はぁはぁ…すいません」

「まぁ、いいですよ。野間ちゃんが必死になって走ってきた姿は最高でしたからね。特にお胸がバインバインに揺れる姿は最高でしたよ!」

「先輩!大変なんですよ大きいのって…肩がこるし…」

渋い顔をする女職員の野間ちゃん。

「ああ、なんか…すいませんでした」

「そんな事よりも先輩これ見てください!」

野間ちゃんにタブレットを渡された男性職員。

「ぷぅ…」

男性職員は、笑うのを必死に耐えていた。

「こ、これって死神課の山本君だよね?」

「はい。うっかり映っちゃったらしいですよ。始末書を書いてました山本さん」

「ハァハァハァハァハァハァハァハァ!」

腹を抱えて笑う男性職員。

「もーひどいですよ先輩!山本君…定期的にお婆ちゃんを見に行ってるんですよ!」

「悪い悪い…叩かないでよ野間ちゃん…ああ、そうだ!」


男性職員は、机に置いてあるPCを起動させたのだ。


野間ちゃんが男性職員の後ろから覗き込むと…


グーグルでYouTubeを検索してサイトに入り『死神が映り込んだ』と検索をしていたのだ。


「いっぱい検索にヒットしてますね」

「ああ、そうだね!」


野間ちゃんが興味深そうにYouTubeの画面を見ていると…

「9割9分9厘は偽物だよね…今の技術でなら加工は簡単に出来ちゃうからね!」

「あとは…勘違いとかですか?」

「そうだね!」

野間ちゃんの言葉に頷く男性職員だった。

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