これから二人は、なんにだってなれる

139話まで読み終わった時点でのレビューとなります。

魔法が常識となり、逆に魔法を使えない人間は迫害される世界。
そんな世界でとりわけ強い魔力を持つ王族の娘と、迫害され続けて肉親を失った男の、王道を往くラブストーリーでした。

最初はお互いに本意ではない婚約を他者から押し付けられ、二人とも状況に納得できないまま共同生活を送ることになりますが、徐々に心を許し、誤解をして、和解して、相手の事を理解していく。
その歩みはとてもゆっくりで、ともすれば怯えているようにすら見えるほどでしたが、いくつかの困難を乗り越え、二人とも帰るべき場所へと落ち着く。
これらのプロセスがとても丁寧で、かつ本当に安心できるストーリーラインで、読んでいて心地が良かったです。
読み手もしっかりとリューズナードとロレッタの心情に寄り添いながら、お話を読み進められることでしょう。

お話としては大きく一区切りついたところで、これからも続いていく様子ですが、139話まででも大変面白いお話なので、ぜひ今すぐにでも読んでみてほしい作品です!