これは『縁』と『駅』の物語

 「ご褒美」
 という言葉を聞いて皆様は何を想像したでしょうか。
 一般的には、褒めるほどの評価に合わせ贈呈される金品、といった感覚でしょう。
 中には、ご褒美という言葉だけで甘美な響きを連想し「えへへむしろご褒美っすよ」などと下卑た声を上げてしまう紳士淑女もいらっしゃるかもしれません。
 何を連想したかは問いません。大丈夫です。どんな思考や性癖も黙っていれば聖人でいられるのですから。

 さて、身も心も真に聖人な私の言うご褒美とは、小綺麗なカッフェで、ちょいと高級な珈琲を堪能しつつ、好きな作家さんの短編小説に浸るという、これ以上、有意義な時間の過ごし方は他には無いんじゃない? って類のものです。
 私は、お金と時間と想いを「使う」ことに命を賭けていると言っても過言ではないのです。
 ちなみに、極力避けているのは、お金と時間と想いを「浪費」することです。

 閑話休題

 さて『縁』と『駅』の物語ということで、演繹法で語ってみるとこんな感じです。

 ・私は2024年、良い小説に出会えた。
 ・この小説を肴に、美味いコーヒーと甘美で素晴らしい時間を過ごせた。
 ↓
 よって、2024年は素晴らしい年だ!

 まだ十日も経たないうちに良い年であることが確定してしまいました。

 ……どうも私の知っている論理展開ではない気がしますが、そこはご愛敬ですね。

 結論から申しますと、演繹法なんてどうでもよろしい。

 次なる願いは、作者様からも言質をいただいた長編化の果て、書籍化された本作を片手に、たっぷりと一日中、優雅な時間を過ごすというご褒美時間を満喫したい。
 もちろん、それが映像作品であっても構いません。タブレットもイヤフォンも充電器もWi-Fiルーターも、準備完了しています。

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