第8話 変化 3
時刻は17時。鈴木はいつも通り、殴られ蹴られている。
しかし、今日は少し違った。いつもは4、5人でやられるが、今回は1人だった。それに加えて、場所も学校の裏ではなく、学校近くの土手の橋の下だった。
「おいおい!少しはやり返してみろよ!」「グッ、、、」「あー、スッキリするわぁ」「ムカついた時は鈴木を殴るのが1番だなぁ」
鈴木は思う。コイツはいつも殴ってくる奴らの1人か。名前はなんだっけ?クソッ腹殴りすぎだろ、、痛えぇ、、そういえばなんで殴ってくるんだ?わからない。コイツなんで1人なんだ?
「前々からムカついてたんだわマジで、鈴木」「、、、なんか言えよ!」「はぁ、、反応無さすぎて萎えるわ、鈴木、俺の名前をフルネームで様付けして、土下座して許してください!って言えばやめてやるよ」
「、、なんだよ?なんで黙ってんだ?」
「てめぇ、まさか、、、」
「俺の名前わかんねぇのか?」
「このクソやろう!馬鹿にしやがって!!許さねぇ!」
殴る殴る殴る殴る蹴る蹴る殴る蹴る殴る殴る殴る蹴る蹴る殴る殴る蹴る殴る、、、
「テメェまで俺を!俺を!」
鈴木は地面に倒れ、腕を顔の前に、膝を曲げて体を守ろうとする。
鈴木は思う。なんでいきなりキレたんだ?クソッ!殴りすぎだろっ!いてぇ!意味わかんねぇ!メンヘラってやつか?なんでなんだ?なんで俺なんだ?いってぇ!俺も殴り返すか?
それは人を傷つけたことのない鈴木の中で初めて芽生えた感情だった。好奇心のようなものだったのかもしれない。
こんなに殴られたなら、やってみてもいいよな?
今までずっと殴られたし、大丈夫だよな?
「クソッ!クソクソクソ!」
何か叫び殴っているそいつの目を盗み、掌より少し大きめの石を手にとる。
その時、
「テメェまで俺を、俺を馬鹿にするんじゃねぇ!」
地面に向かって息を切らしながらそいつは叫ぶ。
鈴木はすぐに体を起こし、痛みを我慢して腕を振りかぶる。
そいつの顔に向かって。
横から振りかぶるように。
ふと、目が合う。鈴木とそいつの目が。
そして
ゴッ
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