表と裏、空っぽな自分

@shuunshuunshuun

第1話 憂鬱

退屈だった。


何もかもが色褪せて見えた。

弱者は強者に媚びへつらい生きている。

強者は自分の力に酔いながら生きている。


この世界で最も強い者が言った。【誰もが物語の主人公で、誰もが物語の脇役でもある。】

本当にそうなんだろうか。


でも、自分はどうだろうか。

なんの力も無く、なんの気力も無く、ただ毎日を過ごすだけの人生。


この世界で最も尊ばれる人が言った。【人として、生きなさい。誰もに優しくなりなさい。】

そうしたほうが善い。このほうが人として立派だ。


そんなレールの上だけを歩く人生。


空っぽな生き方だと自分でも思う。


その空っぽな自分を変えられない自分。

変える気力すら湧かない自分。

レールの上から出ようともしない自分。



あぁ、退屈だ。



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