それが彼らの通常なのだ。

宿屋を営む親父さんの目線で紡がれるお話です。
やって来たのは、背中に巨大な卵を背負った青年。それを育てていると彼は言うのですが……。

淡々とした様子で物語は進んでいきます。
青年が卵を背負っている謎。
食べる時も風呂に入る時も、寝る時も、卵を背から下ろさない謎。
それらが徐々に明らかにされていく語りには、不気味でありながら、どこか達観した優しさが感じられます。

世界が違えば、常識も違う。
自分の通常と、彼らの通常は違う。

そんな当たり前のことを、ふと、そうだなぁと考えさせてくれるお話でした。

お薦めします(^^)!

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